第4回定期総会・記念講演 栗原淑江さん ノーモア・ヒバクシャ記憶遺産を継承する会(2025年4月29日)

長野反核医療者の会 第4回定期総会 記念講演 栗原淑江 ノーモア・ヒバクシャ記憶遺産を継承する会

長野反核医療者の会 第4回定期総会・記念講演

被爆者とともに歩んで
〜ふたたび被爆者をつくらないために〜

開催日時:2025年4月29日(火祝)13:00〜
会場:松本市勤労者福祉センター3-3 (WEB併用)


記念講演:栗原 淑江 さん
NPO法人 ノーモア・ヒバクシャ記憶遺産を継承する会 事務局
一橋大学在学中から被爆者の生活史調査にかかわる。
1980年から1991年まで日本被団協事務局員。

日本被団協のノーベル平和賞受賞を受けて、被爆者とともに運動してきた栗原さんのお話を聴き、私たちが被爆者の願いをどう継承していくのかを考える会にしたいと思っています。

被団協の歩み、被爆者の願い、そして私たち(栗原淑江)『世界』2024年12月 より

いま、問われるのは、「唯一の戦争被爆国」を名乗りながら、戦後、アメリカの「核の傘」(核抑止力)のもと、その核政策を一貫して支え続けてきた日本政府のあり方だ。

自ら立ち上がり、核兵器も戦争もない世界をめざして唯一無二の運動を創り出してきた被爆者たちの運動は、学べば学ぶほど奥が深い。

彼らを人生の先輩として共に生きてきたことで、私の人生はどれほど豊かになったことだろう。

 

■田中熙巳さん(日本被団協代表委員) ノーベル平和賞授賞式での演説 より

核兵器の保有と使用を前提とする核抑止論ではなく、核兵器は一発たりとも持ってはいけないというのが原爆被害者の心からの願いです。

想像してみてください。直ちに発射できる核弾頭が4千発もあるということを。広島や長崎で起こったことの数百倍、数千倍の被害が直ちに現出することがあるということです。みなさんがいつ被害者になってもおかしくないし、加害者になるかもしれない。ですから、核兵器をなくしていくためにどうしたらいいか、世界中のみなさんで共に話し合い、求めていただきたいと思うのです。

原爆被害者の現在の平均年齢は85歳。10年先には直接の体験者としての証言ができるのは数人になるかもしれません。これからは、私たちがやってきた運動を、次の世代のみなさんが、工夫して築いていくことを期待しています。

一つ大きな参考になるものがあります。それは、日本被団協と密接に協力して被団協運動の記録や被爆者の証言、各地の被団協の活動記録などの保存に努めてきた「NPO法人・ノーモア・ヒバクシャ記憶遺産を継承する会」の存在です。この会は結成されてから15年近く、粘り強く活動を進めて、被爆者たちの草の根の運動、証言や各地の被爆者団体の運動の記録などをアーカイブスとして保存、管理してきました。これらを外に向かって活用する運動に大きく踏み出されることを期待します。私はこの会が行動を含んだ、実相の普及に全力を傾注する組織になってもらえるのではないかと期待しています。国内にとどまらず国際的な活動を大きく展開してくださることを強く願っています。

世界中のみなさん、「核兵器禁止条約」のさらなる普遍化と核兵器廃絶の国際条約の締結を目指し、核兵器の非人道性を感性で受け止めることのできるような原爆体験者の証言の場を各国で開いてください。とりわけ核兵器国とそれらの同盟国の市民の中にしっかりと核兵器は人類と共存できない、共存させてはならないという信念が根付き、自国の政府の核政策を変えさせる力になるよう願っています。

人類が核兵器で自滅することのないように!!

核兵器も戦争もない世界の人間社会を求めて共に頑張りましょう!!

 

チラシPDF

■参加申込:準備中(2月下旬頃よりフォームでの受付開始予定です)

■参考

原爆被害者の基本要求 -ふたたび被爆者をつくらないために-(日本被団協)

被爆者からあなたに いま伝えたいこと 日本原水爆被害者団体協議会 編 (岩波ブックレット)

ノーモア・ヒバクシャ記憶遺産を継承する会

■報道記事

一番悲しかったのは「被爆者であること」 苦しみの記憶を保管して(毎日新聞 2024/12/4)