声明

特別決議

ロシア軍のウクライナへの侵攻と核兵器による威嚇に抗議し、核廃絶を求める声明

2022年 2 月 24 日、ロシア軍がウクライナへの侵攻を開始しました。医療機関までもが攻撃の対象とされ、多くの市民の命が奪われました。私たちは命と健康を守る医療者とし
て、これらの暴挙を見過ごすことはできません。

プーチン大統領は核の先制攻撃をも選択肢とする発言をしました。この発言は明らかに核兵器による威嚇であり、核兵器禁止条約や国連憲章に違反しています。また、ロシア軍は、チョルノービリ（チェルノブイリ）をはじめ、ウクライナ国内の核発電所に対しても攻撃をしました。核物質の拡散や放射能被害の拡大の危険をはらむ許し難い行為です。

私たちは、ロシア軍のウクライナ侵攻と核兵器による威嚇に断固反対します。

日本では、一部 の議員から「核共有」を必要とする発言がなされています。これは、「核兵器は非人道的であり、ど のような形であっても存在してはならない」と訴えてきた被爆者の方々の思いを踏み躙るものです。核に対して核で対抗するという主張は、核兵器禁止条約に反している上、核戦争を引き起こしかねません。また、核を国内に持ち込むという議論は、国内で重視されてきた非核三原則も無視する考え方です。

私たちは、憲法9 条を持つ日本が一刻も早く核兵器禁止条約に署名・批准し、唯一の戦争被爆国として平和的解決の先頭に立つことを求めます。

核兵器の存在が地球上の全人類の脅威であることは明らかです。ひとたび核兵器が使用されれば、核被害はあら ゆる人にとって甚大なものです。放射線障害は何世代にも渡って人々を苦しめ、私たちが生きる環境をも破壊します。それらを前にして医学はなすすべを持ちません。医学で治療することができなければ、予防しなければなりません。私たち医療者は、「予防」としての核廃絶を目指します。

核兵器に関して国際社会が岐路に立つ今、私たち長野反核医療者の会は結成しました。私たちは、核廃絶と平和な社会の実現のために、医療者として学び行動し続けます。

2022年 4 月 29 日
長野反核医療者の会
結成総会